「元本保証」「必ず儲かる」「あなただけにご紹介」などと巧みに勧誘されてお金を出すと、実際には儲けどころか元金の大半が戻ってこず、勧誘した事業者に連絡を取ろうとすると姿をくらまされていた、といった、「投資詐欺」(詐欺的な投資勧誘)の被害が後を絶ちません。

仮想通貨入門サイト「クリプト・ヘッド」の最新調査によると、昨年は米国だけで、ビットコインやイーサリアムをはじめとする仮想通貨に絡む犯罪が8万2135件報告された。2016年の360件に比べると、2万4000%超という途方もない増加だ。
仮想通貨投資、詐欺にご用心。昨年の不正報告、米だけで8万件超 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
お恥ずかしながら投資詐欺に2回ほど引っかかってしまいました。被害額は400万円ほど。。
- 仮想通貨のマイニング案件
- 金取引の配当
今思えば違和感だらけの内容でしたが勧誘を受けた時期はメンタル的に弱っていることもあり射幸心を煽られついつい投資をしてしましました。
“騙されない!”と思っている人ほど実は投資詐欺に巻き込まれやすいです。
詐欺にあったときは知識やマネーリテラシーのなさを痛感しました。
相手を恨んでも資金が戻ってくることはありませんし、この現実は受け入れなくてはなりません。
大金を失わないためにもしっかりとした知識で自分の資産を防衛しましょう。
投資詐欺の特徴

投資詐欺の特徴をまとめていきます。
- FXの自動売買
- カジノ案件
- 未公開株
- 仮想通貨のICOやIEO
- 仮想通貨のマイニング
- 仮想通貨のトレード
- 仮想通貨の配当ウォレット
- アービトラージ
仮想通貨は法整備が追いついていない部分があり、抜け道を利用した案件が後を絶たないです。
- 上場する未公開株の勧誘
- 特別に紹介
- マウントをしてくる
- チャンスは今しかないと煽ってくる
- 高利回り・高配当
- 元本保証
- 先行者利益
- 確実に値上がりする
- Instagramを中心としたSNSからの勧誘
上記にちょっとでも当てはまる場合は要注意です。
利回り・配当・利率などをうたうものは違法性が高くハイリスクなことを認識しておきましょう。
ポンジ・スキーム
投資詐欺の典型的なパターンがポンジスキームになります。
ポンジ・スキーム(英: Ponzi scheme)とは、詐欺のなかでも特に、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。投資詐欺の一種に分類され、日本語で「自転車操業」と呼ぶような状態に陥り、最終的には破綻する。
ポンジ・スキームとは - Weblio辞書
ポンジスキームに加えて出資者から別の人を紹介してもらう『紹介制度』を利用するのが近年多いです。
ピラミッド・スキーム
こちらも投資詐欺でよくあるパターン、いわゆる『ねずみ講』です。
ピラミッド式に紹介制で勧誘し資金を集める詐欺で勧誘者⇒出資者⇒勧誘者⇒出資者というようにピラミッド構造となっております。
加入者がねずみ算式に会員を増やすことにより、加入金額以上の金銭を得る一種の金融組織。昭和53年(1978)制定の「無限連鎖講の防止に関する法律」(通称、ねずみ講防止法)で禁止された。無限連鎖講。
ねずみ講とは何? Weblio辞書
市場操作詐欺
あまり聞かない『市場操作詐欺』はどのような詐欺が見ていきましょう。別名『ポンプ・アンド・ダンプ』
風説の流布ともいわれ虚偽の情報を流すことで価値のないモノを価値のあるように吊り上げさせて魅力があるように見せかける手法のことです。
株式市場では完全にアウトで違法ですが仮想通貨に関しては法整備が追いついていないのが現状です。
しかも仮想通貨という匿名的な性質を利用しているので証拠が残りにくいもの厄介です。
法整備はされているものの仮想通貨もトレンドがあり次々に新しいものが出てきます。
返金や出金ができなかった事業のケース
案件は以下のようなものは要注意です。
- 取引所のトークン発行
- AIトレード
- AIアービトラージ
- マイニング
- ホテル事業
- カジノ事業
- 不動産事業
- 先物
- VR事業
- カード事業
- 仮想通貨の開設事業
世界初とか最先端など目新しさで勧誘してくるケースです。
一般的な投資一覧
一般的な投資をまとめてみました。
- 株式投資
- 投資信託
- ETF
- IPO
- iDeCo
- NISA
- 積立NISA
- 国債
- 社債
- 先物・オプション
- 不動産投資
- 不動産投資信託(REIT)
- FX
- バイナリーオプション
- 仮想通貨
仮想通貨はコインチェックなどきちんと届出を出して登録しているところから購入しましょう。(次の章で説明します。)
投資詐欺を見抜く方法

金融関連の法律を理解
法律の話をさくっと説明します。
- 金融商品取引法
- 特定商取引法
- 連鎖販売取引取引
- 出資法
金融商品取引法
金融商品を扱う業者は「金融商品取引業」となり内閣総理大臣に申請、登録した業者でないと業務はできません。
金融商品⇒【預金】【株式】【社債】【公債】などの商品を指します。
相手に対して「確実な利益が出る」「○○%の月利」など断定した表現はNGになります。
また必ず契約内容について記載した書面を交付することが義務化されています。
金融商品取引法をざっくり理解していれば友人からの話といえど契約書がない時点で怪しいと思うはずです。
特定商取引法
特定商取引法とは訪問販売、通信販売、連鎖販売取引といった消費者トラブルが生じやすい特定の取引形態を対象としてトラブル防止・解決のための民事ルールを作っています。
投資商品においても『特定商取引法』の対象になります。また海外の事業者であっても、日本で勧誘しているので規制対象にはいります。
連鎖販売取引取引
個人を販売員として勧誘し、さらにその個人に次の販売員の勧誘をさせる形でいわゆる『マルチ商法』や『MLM』がそれにあたります。
勧誘を受けたときは次の項目をチェックしましょう。
- この会社の何の話かを説明されたか
- 紹介者の氏名、住所、電話番号を記載した書面を受け取ったか
- 説明内容に誇大広告、表現などの表示があったか
- 契約の解除、クーリングオフの説明があったか
- 中途解約、返品ルールの説明
出資法
出資法とは出資の受け入れ、預り金また金利の取締に関する法律のこと。
簡単にまとめると事業への出資としてお金を集める場合、元本保証や配当、利回りがあると出資法の違反にあたります。
販売業者・事業者のチェック
販売業者・事業者は国内外問わず要チェックです。
- 販売業者・事業者の住所は正しく実在するのか
- 代表者名が明記されているか
- 電話番号は記載され正しいのか?電話対応があるのか?
- 顧客サポートセンターが設置されているか
- 法人番号検索をする
事業者の住所はグーグルマップでチェックすると良いです。
お金を預ける金融機関は決めておく
金融機関は【銀行】【保険会社】【証券会社】になります。なぜこの3つが良いかというと
万が一破綻した場合保護してくれる制度があるからです。
銀行⇒資金援助方式、ペイオフ方式
保険会社⇒生命保険契約保護機構、損害保険契約者保護機構
証券会社⇒投資者保護基金
騙されないようにする対策の質問はこれ
この2つを質問すると結構違和感のある回答やズレた回答がくることが多いです。
- 極秘案件だから銀行や金融機関に情報を流せない
- 審査など時間がかかるから
- あなたに儲けさせたい
など言ってきたら、100%詐欺です。
投資詐欺案件はどこから来るのか
- SNS
- マッチングアプリ
- 異業種交流会
- 友人
だいたい人が集まるところに投資詐欺案件アリくらいの心構えでいましょう。
勧誘者が詐欺と理解していないことが多いです。
僕はSNSのパターンと友人の2パターンで投資詐欺にあいました。
投資詐欺は年々多様化しています。
投資詐欺に騙された時の具体的な対処法

投資詐欺は後から気付く
説明を受けた内容と違っていたり、配当が入ってこなかったり出金できなくなったりすることで“詐欺”と気づくケースがほとんどです。騙されたと気づくのが早ければ半年後、1年後、2年後になる厄介な仕組みが最近多いです。
お金を投資する⇒配当が出る⇒徐々に配当が遅れ始める⇒配当が止まる⇒○○の理由で止まっている⇒他の人も配当がでていないことに気づく⇒詐欺と気づく
騙されないようにするためにも金融関連の法律をある程度理解しておきましょう。
詐欺罪は立件が難しい
以下の画像は弁護士に問い合わせした時のスクリーンショットです。

証拠がほとんどないため泣き寝入りという形になりました。
厄介なのは加害者が“騙すつもり”だったという客観的な証拠をそろえないといけないことです。
時系列の整理
投資詐欺の案件の契約に至るきっかけから契約までの流れを整理しましょう。
『いつ』『誰から』『何を』『どこで』⇒話を聞いたか
『いつ』『どこで』⇒契約をしたか、お金を渡したか(手渡し?送金?)
『いつ』『なぜ』⇒騙されたと気づいたか
できるだけ客観的に証拠となるものが必要です。
証拠一覧
関係ある証拠はできるだけ残しておきましょう。
- 勧誘を受けた日時、場所を証明するもの
- 案件の説明資料、名刺
- 契約の書面
- メールやラインのやり取り
- 会話の録音データ
- 相手の住所や連絡先
- 同じ被害者から情報を収集
最近はラインのオープンチャットなどがあります。大きい規模だと被害者の会のスレッドがあります。
投資詐欺の事業者の見分け方
国内の事業者であれば事業者の情報を調べることが可能です。
海外の事業者は事業者の所在地や代表者、連絡先などを特定できないことが多く厄介です。
ポンジスキームのパッケージだけ変更してまた勧誘をしているケースもあるので要注意です。
「怪しい誘いを受けた」「すでに振り込んでしまった」……まずどうするべきか迷った場合に相談するとよい連絡先を以下に紹介します。
被害の相談をしたい
- 日本証券業協会 被害防止コールセンター
電話番号:0120-344-999
対応時間:平日9時~11時30分 12時30分~17時
- 金融サービス利用者相談室
電話番号:0570-016811 / 03-5251-6811
対応時間:平日10~17時
- 国民生活センター(消費者ホットライン)
電話番号:188(局番なし)/ 03-3446-1623
受付時間:平日10時~12時 13時~16時、土日祝日10時~16時
- 警察相談専用電話
電話番号:#9110
受付時間:平日:8時30分~17時15分
(※地域により異なる)
詐欺のように被害実態が見えにくい犯罪の場合、個人間のトラブルとみなされてなかなか捜査に踏み切ってもらえないので証拠をできるだけ残しておくべきです。
今は集団訴訟のプラットフォームもありますね。
まとめ

おつかれさまでした。いかがだったでしょうか。投資詐欺に関わると人間関係もおかねも一瞬で崩れ去ります。
老後資金2000万円問題など『投資』の必要性を感じている時代だからこを投資詐欺は残念ながら後を絶ちません。
深刻な経済危機の中、どさくさに紛れて投資詐欺の案件はなくならないでしょう。できることはシンプルです。
正しい金融知識を身につけて怪しい案件には手を出さないにつきます。そうならないためにも
- 投資詐欺に騙されないための知識をインプット
- 勧誘を受けたときの話の判断
- 時代の変化に対応するための知識のアップデート
今回紹介した知識や情報を少しでも身につけておくことが一番の投資詐欺の防御策です。