求人に応募したいけどブラック企業か心配だなーーー。。
こんな悩みを抱えている転職者は多いのではないでしょうか。
仕事探しの第一歩は求人票の閲覧ですが、噓の求人票が載っている場合もあります。理由は
- 本当のことを書くと人が集まらない
- 残業時間を正直に書くと行政指導が入る
- 求人広告料を払う以上は成果を出したい
労働基準法第15条には「労働条件の明示」が定められているものの、これはひとりひとりの労働者に対して書面で明示する労働条件のことです。不特定多数に向けての明示は適用されません。
ここでは、求人票に蔓延するブラック企業の求人票の見分け方と、求人票以外からの確認方法について解説します。
求人選びを失敗したくない人は、ぜひ読んでみてください。
- ホワイト企業とブラック企業の特徴
- まともな会社の見分け方
ホワイト企業とブラック企業

まずまともな会社の見分け方として分かりやすいのが
『ホワイト企業』と『ブラック企業』に分けることです。
それぞれの特徴をあげていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ホワイト企業の特徴
一般的に言われているホワイト企業とは
労働時間、給料、福利厚生などを大切にし、働きやすい環境を提供している企業のこと
- 基本給が高い
- 福利厚生が充実している
- 離職率が低い
- 研修制度が充実している
- ホワイト企業マークがある
その他にもありますが、一旦この内容で紹介していきます。
基本給が高い
基本給とは毎月継続的に支払われる賃金のこと。
ホワイト企業の多くは、基本給が高めに設定されていることが多いといえます。
基本給の高さは安定した年収につながります。
基本給を低くする会社側のメリットは「人件費を削減できる」につきます。さらに⇒
会社側が基本給を安くすると【残業代】【退職金】【ボーナス】も安くなります。
理由はほとんどの会社で全て「基本給」をベースに計算されるからです。
基本給が1万円と考えた場合、ボーナスが10ヶ月分支給されるとしても、10万円しか支給されません。
基本給があまりに低いと「残業代で稼がなければ」ということになり体調を崩したりする可能性があります。
基本給以外一覧は次の通りです。
一部なので他にも業種や職種・会社によって手当の種類は変わってきます。
歩合給(インセンティブ) | 成果に基づいて支払われる賃金 |
残業手当 | 労働基準法の第37条に定められている手当 |
深夜残業手当 | 夜の10時〜翌朝5時の間までに労働させたときに支払う手当 |
資格手当 | 資格を保有していることに対する手当 |
住宅手当 | 住宅補助制度による手当 |
その他手当 | 出張手当、役職手当、会社独自の手当、休日出勤手当等、通勤手当、家族手当 |
福利厚生が充実している
ホワイト企業は、通勤手当や家賃補助などの福利厚生が充実しています。
たとえば毎月数万円の家賃補助が出る企業の場合、本来であれば自分で支払う家賃の一部を会社が負担してくれるため、支出を減らすことができます。
福利厚生の種類は会社によってさまざまです。
離職率が低い
ホワイト企業を見る指標として使われる「離職者の少なさ」
離職率は、ある企業でどのくらいの人が一定の期間に辞めていったのかということがわかるため、その企業の労働環境や企業全体の良し悪しを判断する基準としても用いられることがあります。
離職率が低い会社は長期雇用を重視し、人材育成に力を入れています。

厚生労働省の「2019年(令和元年)雇用動向調査」によると、令和元年の離職率は15.6%となっています。男女別では、男性の離職率が13.4%であるのに対し、女性の離職率は18.2%と高めになっています。

サービス業の離職率がかなり高いです。ブラック企業の特徴がよく当てはまるためです。※後述します
研修制度が充実している
ホワイト企業は、社員を育てるための研修制度が充実しています。
企業の働き方で魅力的に感じる制度や方針」(必須・複数回答可<2つまで>)をたずねたところ、「研修制度の充実」が54.8%となり、他の項目を大きく引き離しました。「いきなり職場で働くのは不安が大きいから」(メーカー志望の男性)、「仕事についていけるかが不安」(メーカー志望の男性)といった社会人の第一歩を踏み出すにあたって、サポートの充実をのぞんでいる意向が強くありました。
研修充実がダントツで魅力ある制度に企業選びのポイントは雰囲気や社風|ポート株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
研修制度が充実していることが志望動機の人も多いですね。
新人研修にかける期間は3ヶ月以内というのが平均的です。
ホワイト企業マークがある
就職を希望している企業がホワイトかどうか知るためには、ホワイトマークの有無で判断することもできます。
分かりやすいのが第三者から認定を受けている=評価される会社=良い会社
・安全衛生優良企業公表制度 ホワイトマーク
・健康経営優良法人大規模認定 ホワイト500
・健康経営優良法人中小規模認定
・ユースエール認定
・くるみん認定
・プラチナくるみん認定
・えるぼし認定
簡単に説明していきます。
安全衛生優良企業公表制度 ホワイトマーク

労働安全衛生法に沿って労働者の安全や健康を確保する対策に積極的に取り組み高い安全衛生水準を維持・改善している企業
認定を受けている企業の一部です。

※2022/10/3更新情報
健康経営優良法人大規模認定 ホワイト500

健康経営優良法人認定制度とは、従業員の健康維持や増進を行った法人に対して、経済産業省が表彰するという制度
健康経営優良法人の大規模法人部門は「ホワイト500」と呼ばれ、認定基準が中小規模法人部門と異なります。

※2022/10/3更新情報
健康経営優良法人中小規模認定

中小規模法人部門の対象は以下のとおりです。
・卸売業:1人以上100人以下
・小売業:1人以上50人以下
・医療法人・サービス業:1人以上100人以下
・製造業その他:1人以上300人以下

※2022/10/3更新情報
ユースエール認定

ユースエール認定は、厚生労働省が若者の採用・育成に力を入れていたり、若者の雇用管理をしていたりする、従業員300人以下の中小企業におくられる認定制度

※2022/10/3更新情報
えるぼし認定

女性が長く働きやすく、実力を認めてもらいやすい企業である目安となるマークでさまざまな面において女性が活躍しやすい環境づくりに力を入れている企業が対象になります。
平成30年9月末の時点では、えるぼし認定を受けている企業は全国で698社と、年々増加しています。

2022/10/3更新
くるみん認定

くるみん認定とは、仕事と子育ての両立支援に力を入れている企業におくられるものです。
男性側も育児に参加しやすい環境を整備しているため、男女ともに働きやすい企業であるといえます。
くるみん認定を受けるためには、女性だけでなく男性の育児休業取得率が一定の基準を満たしていることなどがあります。

※2022/10/3更新

ホワイト企業のメリットは
社員のモチベーションが上がることや優秀な人が集まりやすいなど最終的に会社全体が良くなります。
ブラック企業の特徴
続いてブラック企業の特徴です。ブラック企業の特徴を実際に体験したことを踏まえて紹介していきます。

突然ですが、「ブラック企業大賞」という言葉は聞いたことありますでしょうか? 転職者 転職活動してるけどブラック企業は避けたいな。。 転職活動をする際にブラック企業を避けることは 健全な職業生活を送る[…]
- 労働環境が悪い
- すぐに採用される
- 現場の社員にしわ寄せがくる
- 離職率が高い
- 口コミが悪い
労働環境が悪い
ブラック企業は労働環境が悪化します。主な例は
- 上司が無能で仕事の割り振りが出来ない
- 休みが少なくなる
- 労働時間が長くなる
- 福利厚生がない
労働環境の悪化としてわかりやすいのが残業時間や出勤日数が多く、とにかく労働時間が長くなります。
労働環境が悪いと健康面に影響します。例えば
- 体調不良
- 精神疾患
- 仕事の効率が下がる
いずれも体力面と精神面に負担がかかりすぎていることによるものです。
すぐに採用される
採用に意欲的過ぎるあまり正式な面接がないこともあります。
これは企業が採用に必死になっていて、適切な人材を見つけ出すための精査を怠っていることのサイン普通は下記画像の様なステップを踏むはずです。

簡単な短い面接を1度受けただけで「すぐに入社してほしい」「明日からくることできますか?」などとあまりに早すぎる入社を勧められたり、中にはその場で入社承諾書にサインをしてほしいと言ってきたりする会社があります
日本の場合、法律上正社員として一度採用すると、履歴書・経歴書に大きな嘘があったという場合や、無断欠勤が多すぎる、上司から言われたことに反抗的な態度を見せる、会社の経営が厳しくなってしまった、などよっぽど大きな問題がない限り、正当に解雇をすることは難しいです。
現場の社員にしわ寄せがくる
典型的な例ですが、ブラック企業は現場にしわ寄せがきます。
例えば【経営戦略】は幹部会議で決定したはずなのにそれがうまくいかなければ、現場のせいにされることが多いです。
会社経営をしていれば、事業が伸び悩むときも出てきますがそのときの態度で社長の器が分かります。
さらに
- 自分の意見に従う人だけを登用する。
- 反対意見を力で押さえつける。
こういった企業は離職率が高かったり、転職の口コミサイトでの評判が悪いです。

また、おカネのやり繰りができなくなってくると、考えつくのは「経費節減」です。
効果の薄い経費削減案が徹底されます。
離職率が高すぎる
ブラック企業かどうかの基準の一つとして、「離職率」があります。
離職率の平均は13.9%(厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」より)です。
離職率が平均より高すぎる場合、ブラック企業と言えます。
- ハローワークに確認
- 四季報でチェック
- 企業名と離職率で検索
口コミの評判が悪い
口コミサイトでは良い面・悪い面すべてを確認することができます。
比較的最近投稿されている口コミを参考にした方が良いです。
転職サイトに書かれている求人内容と会社の評価サイトを合わせてチェックすると内容が
一度入社するとなかなか短期間での転職はしづらいのでブラック企業は避けましょう。
まともな会社の見分け方

入社しない方がいい会社を転職前に見極めるためのポイントは、以下の2つです。
- 転職エージェントを活用
- 求人内容をチェックする
転職エージェントの活用
転職エージェントを利用しているのであれば、転職エージェントに問い合わせてみる事をおすすめします。

転職サイトと転職エージェントの違いはこんな感じです。
複数利用のメリットとして、取り扱い業界や規模もエージェントごとに異なるので複数登録しておくと比較がしやすいです。
- 30代でマイナビエージェントは断られる?
- リクルートエージェントうざい?/使ってみての感想
- 『転職エージェント』マスメディアンは評判は?
- 転職エージェントdodaはひどい??
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- 【実際に使ってみた】VIEW 転職アプリはどう?
- 【実体験】type転職エージェントに断られた話
- マーキャリ NEXT CAREERの評判は?
- ミイダス 会社にばれる?実際に使ってみた!

転職エージェントは無料で利用できるので転職活動をするなら登録しておくべきサービスです。

求人内容をチェックする
ホワイト企業の求人は滅多に出ません。
ブラック企業に使われがちな求人内容を紹介していきます。
抽象的なワードで募集
抽象的な言葉がある求人はブラック企業の可能性が高いです。
こんな言葉を使ってます。
- 体力・やる気のある人
- 素直
- アットホームな職場
- 未経験歓迎
- 誰でもできる仕事
もはやお馴染みのフレーズになりました。
職場の雰囲気を表すには使い勝手のいい言葉なので、慣用句として使われることが多くなっています。
給与が高過ぎる求人
給与があまりにも高いのは、仕事の内容が実際とは違っていることのサインやまた、仕事環境がひどい可能性があります。
「年収300〜900万」「月収18万~50万」
未経験でも出来る仕事なのに給料が高い=考えられるのが、ノルマが高いからです。
専門性があれば別ですが、まず専門性がない仕事内容なのに給料が高いのは普通の条件ではあり得ません。
しかもよく見ると
「年収1000万円」ではなく、「年収1000万円を目指せる」
詳細があいまい
- 「ここでは成長ができます」
- 「ノルマはありません」
- 「やる気のある人を求めています」
成長ができるということでいえば、どういったスキルが身につくことができることであったり、具体的にどういった仕事ができるようになるなど将来像が見えるような書き方をしているはずです。
また下記のような質問にも答えないとなればほぼレッドカードです。
職務内容、仕事環境、勤務開始日、あるいは10年後の方針に関する質問
広告の頻度
ずっと同じ広告が載っている企業があったりしませんか。 転職サイトにも長期間に渡り広告を出している企業が多くあります。
考えられる理由は
- 入ってもすぐに社員が辞めてしまう
- 人材が足りていない
こういった求人にはだいたい『急募』というワードが求人に入っています。
まとめ

まともな会社の見分け方としては徹底リサーチする必要があります。
例えば、労働基準関係法令違反に係る公表事案をチェックすることもリサーチのひとつです。